日本古書通信

日本古書通信というものをご存知だろうか、これは直販の的購読制なので、読書の分布を把握することが出来るのですが、古本屋のある地域においては、読書の数が多かったです。

従来は古本屋を中心として、本が好きな人たちが集結する、いわば地域の文化的交流の出来るサロンが作れ、そのサロンを形成する人たちも熱心な日本古書通信の読者でしたし、当然すべての古本屋がそうだったわけではないですが、今でも各地で寝ず良く頑張っているような古本屋さんには、そのような店である傾向があり、また多いのも事実です。

現在の私は、長野県に住んでいるいのですが、かつての高橋屋書店という古本屋があり、繁華街から少し離れたところに点在しており、戦前から店を構えている老舗でして、日本古書通信にも古くから古書目録の広告をだしていたのですが、そこの主人は古本を見聞きする力があり、本の買取に関しても能力を最大限に発揮できる人で、図書館の古い郷土資料なども、高橋屋書店の主人が納めていたものだと聞いています。

古本屋の少なかった長野県の中でも、人口が7万人に満たないくらいの地方都市ではありましたが、他の地域と比較しても引けを取らないぐらい、近隣に読者が多かったです。

そして、何よりも主人の御蔭で雑誌の存在を多くの人に知られるようになり、正直なところ絵にかいたような無愛想な古本屋のオヤジで好きにはなりにくかったけれども、本当に感謝している人が多く、その主人が亡くなられた後は、私も地元の読者たちと話し合って小数部ではありますが追悼の意味を込めて本を出す事にしました。

人と人との結びつきという文化

高橋屋ですが、彼が目録にしていた中から処女出版の野心を見つけて大喜びしていた人もいることなど、このようにして、地味ではありますが頑張っている古本屋がある事を忘れてはいけませんし、そのような古本屋が1つでも存続していけるように、私もサポート役として努力していかなくてはならないと、最近になってヒシヒシと感じているところです。

商売すると言うのは大変な事でして、極めて意識の高いは俳句雑誌や、古本同人誌など、希少価値の高い珍しい本を集めて店を展開していくのも、骨が折れる作業でして、売れる本はすぐに売れて他の人の手に渡ってしまいますし、常に価値のある本を古本屋に置いておくこと自体が難しいことであり、困難な頃でもあり、最近店舗販売を止める店が全国に増えており、非常に残念な事なのですが、古本屋のオヤジどもが掘り出してくる珍本を求めて、地元の研究家などがサロンを作り、本を愛している彼らが古本を集める事で、日本全体の書物文化を支えてきたのです。

確かに運輸手段はスピードの点でも価格の面でも便利になったと思いますし、更にインターネットが普及してからは商売をする場所を問う事はなくなり、経営者のリスクも少なくなったわけですが、これは古本ばかりに限った事ではなく、人と人との結びつきという文化の根本的な要素が失われ始めているのではないかと、日本の将来を不安に思う。